乱用される覚せい剤シンナー中毒
 シンナーはたとえ少量といえども、飲むと大変危険です。蒸気を吸入しただけでも中毒状態になることがあるほどです。

シンナーとは
 シンナーは「薄めるもの」という意味で、接着剤や塗料を薄める溶剤として使われます。シンナーはいくつかの有機溶剤の混合物で、用途によって成分割合がいろいろ違います。だいたいトルエンが主成分で、他にメチルアルコールやエチルアルコール、キシレンや酢酸エチルなどが含まれています。

シンナーの毒作用
 シンナーの毒作用は、粘膜への刺激作用と中枢神経の抑制作用によるものです。過度の中毒になって脳細胞が破壊されると、二度と再生されません。シンナー中毒はとても怖いということを頭に入れてください。シンナーを飲むと、口の中や胃、食道に灼熱感を覚え、吐き気、嘔吐、下痢などが起こります。気管に入ると肺炎を併発するなどして大変危険です。シンナーを吸入するとのどや眼に刺激感があり、めまい、頭痛、ふらつき感、めいてい状態などとなり、大量では呼吸まひによって生命にかかわってきます。

シンナー中毒の処置
 たとえ少量といえども飲んだときは「吐かせようとしないで」医師の診察を受けましょう。吐かせようとすると気管に入る恐れがあって、かえって危険なのです。蒸気を吸入したときは、空気のきれいな場所に移してようすをみます。吐き気や頭痛などの症状が治まらないようでしたら、やはり医師の診察が必要です。誤って眼に入れたときは、流水で15分以上洗って眼科医をたずねましょう。皮膚にちょっとつけたぐらいなら、大丈夫ですが、何度も何度もくりかえし付着させたり、長時間つけたままにしておくと皮膚炎を起こしますから注意しましょう。

シンナー遊びについて
 シンナ-遊びは一時的な多幸感を得るために、大事な人生を狂わせてしまうものです。シンナー遊びを続けると、何をやる気も起こらない無気力な生活におちいるとともに、不安、幻覚を起こすばかりか、肝臓、腎臓、造血器などにも障害が現れてきます。いったんこの道に足を踏み入れますと、精神的依存をきたしてとり返かえしのつかないことになります。
 シンナー遊びは百害あって一利なし。好奇心や誘惑に負けないよう、くれぐれも注意してください。

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