不快害虫世界で知られている虫の数は約70万種類といわれています。このうち日本で知られている衛生害虫はおよそ130種類で、伝染病を媒介したり、血を吸ったり、食品や衣料品に被害を与えたりしています。ところが最近、これ以外の不快害虫あるいは厄介害虫とでもいうべきものが問題となってきました。これらのほとんどは直接的な害はないものです。たとえば、アメリカでコオロギがこの不快害虫の烙印を押されているのは、ちょっと意外な感じがするでしょう。今回はゴキブリやハエなどの影にかくれて、あまり目立たない不快害虫をいくつか紹介しましょう。

ムカデ
体長は3~15cm位ですが、中には30cmに達するものもあります。体は扁平で細長く、足は10数対から200対近いものまでいろいろです。山野の腐植土に多く、夜行性で、小さい昆虫やミミズを食べます。毒をもったムカデに刺されたときは、重曹、硫酸マグネシウム飽和溶液などの湿布が有効です。むかで やすで
ヤスデ
多くは体長2~5cm位で、体は細長く、円筒形ないし扁平で、100対以上の足を持つものもいます。ムカデと似ていますが、ひとつの体節に2対の足があるので区別できます。さわるとトグロを巻いてしまいます。粗大ゴミの捨場、住宅地域の空地、休耕田畑などに見られます。

ゲジゲジ
俗にゲジゲジと呼ばれるものです。体長2~3cm、足は15対あります。ムカデと似ていますが、足がかなりムカデより長いので区別できます。夜行性で、本来はダニやクモなどを食べる益虫ですが、姿が不気味なので嫌われています。

だんごむしダンゴムシ
体長は1cmほどで、細長い小判形をしており、背中は丸味があります。さわると体をダンゴ状に丸めてしまうのが特徴です。本来は夜行性で、昼間は枯れ葉や石の下など湿ったところにかくれています。雑食性で、ウリやマメ、ダリアなどの苗や若芽、幼果などを食べる害虫ですが、あまり気がつきませんね。

かめむしカメムシ
体の形が6角形で、亀のこうらに似ているところからこの名があります。体長は4~25mm位です。普通、植物の汁を吸って生きていますが、イネ、マメなどにつくこともある害虫です。また、独特の臭気があって嫌われています。

殺虫剤

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