薬の飲み合わせ(相互作用)「ウナギと梅干しは一緒に食べない方が良い」―これは昔からよくいわれることです。必ずしも学問的に証明されていないかもしれませんが、何となくそれにしたがった方が無難な気がしますね。
お薬にもこれと同じようなのみ合わせ(相互作用)があります。ときには深刻な事態に至ることもあり得ますから、2種類以上の薬を飲むときは、医師・薬剤師などに確かめてからにしましょう。

食い合わせの例

うなぎ  と  梅干し
そ ば  と  タニシ
カ ニ  と   氷 
エ ビ  と  キノコ

「のみ合わせ=悪いこと」は間違い
 お薬をいくつか併用しますと、お互いに作用を強めたり弱めたりすることがあります。もちろん影響がないこともありますし、まったく別の作用を示すこともあるでしょう。
 お薬の飲み合わせには「悪い」というイメージがつきまといますが、実は良い面の方が多いのです。お薬の飲み合せには、一緒に飲まない方が良い組み合わせだけではなく一緒に飲んだ方が良いものもあるのです。

理由があるはずです
 「薬がわかる本で調べたら、二つとも血圧を下げる薬だった。同じようなものだから一つにしておこう」などと考える人はいませんか?この場合、二つだからこそ、それぞれ作用を強めあって、少ない量で済んでいるのかもしれません。どちらかを勝手に中断すると、期待する効果が得られなくなるかもしれないのです。
 また、胃は悪くないと思っているのに胃薬が処方されることもあります。これは、別のお薬が胃を荒らすのを防ぐ目的かもしれません。
 これらに限らず、医師が処方するからには必ず何らかの理由があるはずです。わからないこと、疑問に思うことは、医師・薬剤師などに尋ねましょう。

気をつけるのは
 一つの病院で、一人の医師にだけかかっているときは、お薬の種類が多くてもそれほど心配することはありません。その医師がすべてを承知でお薬を選んでいるからです。
 しかし、いくつかの病院、いくつかの診療科に通って、何人かの医師から別々にお薬を受け取っているときや、病院に通いながら薬局で薬を買ったときなどは要注意です。お薬を出した医師や薬剤師は、あなたが他のお薬を飲んでいるかどうかはわかりません。もちろんそのことはあなたに尋ねるでしょうが、あなたが黙っていたり、お薬の名前がわからなかったりではどうしようもありません。

お薬は一ヵ所で
 今まで何かお薬を飲んでいて、新たなお薬を飲み始めることになったときは、今まで飲んでいたお薬を見せるか名前を告げ、一緒に飲んでもよいかどうか調べてもらいましょう。
 そのためには、すべてのお薬を一人の専門家にチェックしてもらえば確実です。そのために「かかりつけ薬剤師」を決めて、お薬を買うときや、処方せんによる調剤を受けるときもそこに頼むとよいでしょう。病院で出されたお薬も、そこに知らせておけば安心です。

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