柏市薬剤師会

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 ワルファリンと納豆年をとって寝たきりにつながりやすい脚のつけねの骨折。ある研究では、欧米と比較して日本人の骨折率はなんと約3分の1だということです。
 その理由を探して注目されたのが納豆。納豆に含まれるビタミンKが骨の新陳代謝に重要な働きをしているというわけです。そのビタミンKの大切さが見直されてきて、「四訂食品成分表」にもビタミンKの測定値が表示されるようになったのです。骨を作るためにはカルシウムだけ取っていればよいというのは、もう古いのですね。
 納豆はビタミンKを多く含むだけでなく、納豆菌が腸内でビタミンKを作るということも言われています。また、他のビタミン、酵素も豊富で、骨粗鬆症・心筋梗塞など成人病にもいいとまさに万能という感じです。
 しかし、それだけいいと言われる納豆ですが、ワルファリンというお薬を飲んでいる人には絶対食べてはいけない食品なのです。
 病院で「これは血をさらさらにする薬ですよ」などと渡されるのがワルファリンというお薬です。血栓症・塞栓症の人が飲むお薬です。
 もともとワルファリンはビタミンKの働きを阻害して、血液を固まりにくくするお薬なのです。ですからビタミンKを多く含む食品と相互作用を起こすのは当然といえば当然。納豆だけではなく他のビタミンKを多く含む食品とも相互作用を起こします。
 パセリ、しそ、あしたば、クレソン、みつば、春菊、かぶの葉、芽キャベツ、小松菜、ほうれん草、ニラ、ブロッコリー。ビタミンKの多い食品です。
 ただ、これらの食品は絶対食べてはいけないというものではありません。一時にたくさん食べたり、全く食べなかったりというムラがある食べ方はしない方がいいのです。
 どんな食べ物もバランスとく取ることが大切です。
 ワルファリンを飲んでいる人は納豆だけは絶対食べてはいけない食べ物です。

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