柏市薬剤師会

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骨粗鬆症骨粗鬆症とは
 骨粗鬆症とは、骨のカルシウム(Ca)量が減少して骨がもろくなった状態をいいます。骨の強さは、カルシウムがどれだけ高い密度でつまっているかで決まります。この密度は20代から30代にかけてがもっとも高く、その後ゆっくりと低下していきます。人口の高齢化にともない、密度の低下が進んで骨が軽石のようにスカスカになった人が増えているのです。
          
寝たきりの原因になることも
 骨粗鬆症は、高齢者、とくに閉経後の女性の方に多くみられます。初めに腰が痛い、背中が痛いなどの症状があらわれ、腰が曲がってきて、少しのことで骨折しやすくなります。部屋の中の敷居につまづいて、転んで骨を折ったとか、重いものを持ち上げようとして、背骨が支えきれずにつぶれてしまうなどの事故が起こります。こうして寝たきりになってしまう高齢者は案外多いのです。
          
治療方法は
 腰や背中の急性期の痛みは3週間ほどでおさまりますが、その痛みに対する対症療法は、鎮痛消炎剤や痛みの程度に合わせて安静を守り、コルセットを利用することもあります。必要であれば減少した骨の量に対する原因療法のカルシトニンも併行して用います。

慢性骨粗鬆症の治療薬
カルシウム剤とビタミンD
 カルシウムが単独で用いられることは少なく、ほとんどの場合活性型ビタミンDが用いられます。ビタミンDは、カルシウムの腸からの吸収を促して利用効率を高めるのです。
カルシトニン
 カルシトニンは私たちの体の中にあるホルモンの一種で、骨からのカルシウムの溶け出しを抑制します。
イプリフラボン
 これは破骨細胞という骨を壊す細胞の働きを抑制して、カルシウムが遊離するのを抑える作用も持っています。
女性ホルモン
 女性ホルモンは骨の代謝に重大な影響をもちますが、不正出血などのおそれがあるためきわめて慎重に使われます。

予防が大切です
 骨粗鬆症はいろいろな病気を引き起こす原因になり、また、苦痛も激しいので大変やっかいな病気です。高齢者が骨粗鬆症になると、もとの健康な骨に戻すのはたいへん難しく、今の段階では進行を抑えることがせいぜいです。そうならないために、普段から予防を心がけましょう。
カルシウムの1日所要量は1,000mgといわれます。これは牛乳約1リットルとるに相当しますが、吸収率を考慮して小魚などもとるようにしましょう。また、良質なタンパクも必要になります。
適度な運動は骨を太く、丈夫にします。若いときは積極的に、中高年になってからも無理をしない範囲で、体を動かすように心がけましょう。カルシウムを摂りましょう

食品100g中のCa量(mg)
煮干し 2,200
まいわし(丸干) 1,400
煎りごま 1,200
プロセスチーズ 630
ヨーグルト 130
牛乳 100

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