病院の薬を売ってくれませんか

Aさんが行きつけの○○薬局に入って行きました。どうやら△△病院の薬袋を持っているようです。

Aさん 「私、病院からこのお薬をいただいているんですけど、このところ忙しくて病院に行く時間が惜しいんです。おたくで売ってくれませんか」
薬剤師 「どれちょっと見せてください。ははあ、これは処方せん医薬品ですね。これは法律によって医師の処方せんがない限りお渡しできないお薬です。残念ですがここでお分けすることはできません」
Aさん 「どうしてもですか」
薬剤師 「はい、薬については薬事法という法律があって、お薬はいろいろ区分けされています。処方せん医薬品というのは比較的作用が強く、医師が患者さんの状態を常に観察しながら使うべきものなので、患者さんが自由に街の薬局で入手できないように定められている処方箋の原本がなければだめものです」
Aさん 「そうですか。それではどこの薬局に行っても同じことですね。おたくに手持ちがないからではないのですね」
薬剤師 「ええ、これは日本全国どこの薬局に行っても同じです。医師がAさんを診察して、快方に向かっていると判断すればこのお薬の量が減るかも知れませんし、別のマイルドな薬に変わるかも知れません。医師の診察を受けることはAさんのためなのです」
Aさん 「でも時間がかかるからなあ。お薬ができるのを待っているとイライラして」
薬剤師 「医師からの処方せんをお持ちいただければ、このお薬もうちでお渡しできます。Aさんの都合の良いときにお越しいただければよろしいので、待ち時間もほとんどありません」
Aさん 「おたくもいいけれど、職場の近くの薬局でもいいのですか」
薬剤師 「ええ、保険調剤の表示をしている薬局ならどこでもよろしいのですが、できればどこかにかかりつけ薬剤師を決められるといいですね。その薬局ではAさんのお薬の記録が保存されています。これを薬歴管理といいますが、これがこれからの薬局の利用法になっていくでしょう」

 

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