中毒時の対応(6)マッチを食べるとマッチの頭薬を2~3本食べた程度ではほとんど無害と考えられます。すり板をなめたり、しゃぶったりしても心配ありません。やかんの中に子供がマッチを1箱かくしてしまい、それと知らずにお湯を沸かして飲んでしまったケースがありますが、何も問題は起こりませんでした。幼児では15本以上食べると、吐き気、腹痛、下痢を起こし、重症では腎臓の障害を起こします。

マッチの商品知識
国内で生産されるマッチは安全マッチといわれ、日本工業規格(JIS)で品質が定められています。以前は黄リンなど毒性の強いものが使われていましたが、現在はありません。
軸木の頭薬は塩素酸カリウムを主成分とし、イオウ、ガラス粉、ニカワ、着色剤などが配合されています。この中で危険性があるものは、塩素酸カリウムです。この量はマッチ20本の頭薬に0.2gぐらいです。すり板部分は赤リンと発火調節剤としての三硫化アンチモン、ニカワなどが含まれます。
塩素酸カリウムは血液毒で、大量に飲みますと血液中の酸素運搬をしているへモグロビンが障害され(メトヘモグロビン血症)、腎臓や肝臓もやられます。しかし、現実に中毒を起こすほどマッチを食べることはまずありません。三硫化アンチモンは有害ですが、吸収が悪いのですり板を食べたとしてもほとんど心配ありません。むしろ軸木やすり板がのどにつまっていないか注意してください。

それでも食べたら
幼児が15本以上食べてしまったときは、できれば牛乳か水を飲ませて吐かせてから医師の診察を受けてください。

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