柏市薬剤師会

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こんなときどうする(2)体温計をかんでしまい、水銀を飲んだらしい
水銀と聞くと、水俣病を思い出すので、水銀はとても怖いものと思われますが、あれは水銀化合物となっていて、吸収されやすい形になっていたために起こったのです。体温計の中の水銀は、まず吸収されることはありませんので、心配する必要はありません。また、ガラスも毒性はなく、気にしなくて結構ですが、口の中を切ったりすることが考えられますので、うがいをしてガラス片を除きましょう。
水銀は、液状の金属ですが、揮散しやすく、その蒸気を吸入するとかなり毒性が強いので、こぼれた水銀はすぐに拾い集めて、始末しましょう。

シリカゲル(乾燥剤)をお菓子と思って食べてしまったが
シリカゲルは、ケイ素の化合物で全く吸収されず、無害ですから心配は要りません。消化管から水分を奪い、そのとき多少発熱しますが、影響はありません。水を飲んでおくぐらいでよいでしょう。
シリカゲルの中に、青く着色したものが混ざっていることがあります。これは、シリカゲルの乾燥剤としての効力の目安のためのもので、効力が落ちてくるとピンク色になってきます。この色は、コバルトの化合物ですが、量がごくわずかですので大丈夫です。

トイレ洗浄剤を飲んでしまいました
トイレ洗浄剤は、酸と界面活性剤を含んでおり、これを比べますと、酸による危険性が非常に大きいのです。酸を口にしますと、口の中、のど、食道等が刺激され、程度によっては腐食から穴があいてしまいます。また多量の酸が吸収されると、体が酸性に傾き、血圧降下から昏睡に至ります。
治療法は酸をうすめる、または中和することが大切で、応急には水、牛乳、卵白を与えます。水酸化アルミニウムゲル、酸化マグネシウムなどを与えて中和をはかることも有効ですが、炭酸水素ナトリウム(重曹)は使えません。(炭酸ガスができて、胃が破裂する可能性があります。)
いずれにしろ相当危険なケースですので、なるべく早く医師の診察を受けるようにしましょう。

タバコを食べてしまいましたが
タバコの有毒成分であるニコチンは、銘柄にもよりますが、1本に10数mg程度で、子供では10mgでも、致命的なことがありまたばこと赤ちゃんす。中毒になると吐き気、下痢、めまい、呼吸困難などを起こし、さらに進むと失神、ケイレン、続いて呼吸マヒによる死亡に至ります。
タバコを1本全部はなかなか食べられるものではなく、大半は飲み込まずに口の中に残っていますが、ニコチンの吸収は速いので、処置は緊急を要します。すぐ医師のところへ連れていきましょう。

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