柏市薬剤師会

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からだの中の薬の動きお薬は、錠剤やカプセル剤など、口からのむものが最も普通です。でも、口から入ったお薬は、その後どのような運命をたどるのでしょうか?内服薬の場合について考えてみましょう。
内服薬には口から飲む薬で、散剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤などがあります。

吸収され、肝臓で代謝
 口から飲んだお薬は、主に腸で吸収され、門脈という血管を通っていったん肝臓に入ります。肝臓は体内の化学工場に当たり、ここでお薬は化学変化(代謝)を受けます(受けないものもあります)。その後、お薬は血液中に入って全身を回り、目的とする組織で効果を発揮するのです。

血液中から組織へ
 血液中でお薬は、タンパク質とくっついて(結合状態)いたり、本来の薬のままで(遊離状態)いたりします。遊離状態のものは組織に入って薬効を示しますから、この量がお薬の効き目を左右するといえます。しかし、結合状態の割合はお薬によって決まっていますから、血液の中のお薬の量が薬の効き目を左右することになるのです。尿、便などと体外へ

尿、便などとともに体外へ
 お薬は、いつまでも体内に残るわけではありません。腎臓を介して尿の中へ、あるいは胆汁を介して腸から便の中へ排泄され、次第に姿を消していきます。ほかに吐く息とともに口や鼻から、汗とともに皮膚から排泄されるものもあります。
 お薬が効き目を示す時間はそれぞれ違います。また、お薬をある種の膜で包むなどして、効力を発揮するまでの時間や持続時間をコントロールしたものもあります。こうして、1日3回のものが1回ですむなど、なるべくのむ人の負担が軽くなるように工夫がこらされています。ただし、これはすべて正しく飲まれることが前提です。錠剤はかまずに、コップ1杯の水で飲んでください。カプセルをはずして中味を出してはいけません。液剤は、成分のかたよりができないように、飲む前に良く振り混ぜましょう。

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