柏市薬剤師会

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ビタミンCビタミンCはアスコルビン酸ともよばれ、古くから知られているビタミンですが、その働きは複雑で、現在でも完全にはわかっていません。これからもいろいろな面に期待がもたれるビタミンです。今回はビタミンCのお話しをしましょう。

ビタミンCの必要量
ビタミンCの必要量は、成人で1日あたり50mgぐらいとされています。わが国では野菜やくだものが豊富ですので、あまり不足することはありません。国民栄養調査によりますと、だいたい1人100mg以上摂っているようです。ただし、妊娠している方、授乳中の方や熱が高いようなときは、必要量が増えますから注意しましょう。また、あまり不適切な食事ばかりしているのもよくありません。

ビタミンCが不足すると...
ビタミンCが不足すると、体がだるくなり、つかれやすくなって、仕事の能率が落ちてきます。皮膚は青白くなって、歯ぐきから出血しやすくなり、皮下出血も起こすようになってきます。
ビタミンCの欠乏症として有名な壊血病は、わが国ではほとんど見られませんが、少し以前のヨーロッパでは死亡者もたくさん出た恐ろしい病気でした。
乳児のビタミンC欠乏症にメルレル・バロー病とよばれるものがあります。これは人工栄養児に見られるもので、牛乳や粉乳にビタミンCが少ない上に、それを加熱するためにビタミンCがこわされ、欠乏症になったものです。しかしこれもわが国ではほとんど見かけません。

ビタミンCが欠乏したら...
ビタミンC欠乏症になってしまったら、食生活に注意するとともにビタミンC剤を服用すれば、たいてい10数日で回復します。
なお、ビタミンC剤は過剰症というものがありません。多すぎると、その分は吸収されることなく、排泄されてしまうのです。
くだものや野菜に含まれているビタミンCは、不安定でこわれやすく、貯蔵、調理のあいだに失われがちです。貯蔵するには凍らない程度の冷所に、ポリ袋などに入れて空気とふれないようにして酸化を防ぎましょう。また、ビタミンCは熱に弱いので、野菜などはあまり長くゆでないようにします。

ビタミンCを多く含む食品の例
ミカン、レモン、イチゴ、トマト、パイナップル、ピーマン、ホウレンソウ、コマツナ、ダイコン、キャベツ、モヤシ、サツマイモ、緑茶など。ビタミンC 

ビタミンCの未来
ビタミンCは今話題のインターフェロンの産生をうながすとか、免疫力を高めるとかいわれ、かぜにいいとか、ガンにも効くとかいわれますが、これらについてはまだよくわかっていません。今後の研究に期待されます。

 

 

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