柏市薬剤師会

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外用薬点眼薬最近のカメラは、オートフォーカスといって被写体に自動的にピントがあう便利なものになってきました。実は私たちの目もオートフォーカスなのです。
目でカメラのレンズに当たるのは水晶体、その厚さを調節しているのが毛様体です。車の運転、読書やファミコンを長時間続けると、毛様体が疲労してきて水晶体の調節がうまくいかなくなります。長時間走り続けると、足が上がらなくなってくるのと同じことです。これが眼精疲労です。
眼精疲労に対しては毛様体を刺激して、そのはたらきを活発にしてやる必要があります。ビタミンB2、B12、メチル硫酸ネオスチグミンなどがよく配合されています。充血を抑えるためには血管収縮剤のナファゾリン、かゆみや炎症には塩化リゾチームや抗ヒスタミン剤が使われます。
目はとてもデリケートです。ちょっとしたことですぐしょぼついたり充血したりします。そうしたときには目薬をさしましょう。でも、目はデリケートなだけに目薬の使い方にも注意が必要なのです。今回は目薬の使い方で気をつけていただきたいことをあげてみました。

点眼薬の正しいさし方
 手を石鹸と流水でよく洗ってから、下まぶたを下にひいてください。
 点眼ビンの先がまぶたやまつげに触れないように2~3センチ上より点眼してください。
 点眼後は静かにまぶたを閉じて、しばらくまばたきをしないで目を閉じてください。
※点眼ビンをうまく支えられない方には補助具が市販されていますのでご相談ください。

点眼液の1滴は約50μl(20分の1ml)ですが、普通目に保持できる薬の量は大人で約20~30μlです。したがって、点眼液は一滴以上点眼してもあふれて無駄になるばかりか、目の周囲について時にかぶれたりする原因になります。上手に一滴ずつ点眼してください。目の周りについた薬はティッシュなどでふき取ってください。点眼後はまばたきをすると薬が涙と一緒に涙の排水口から逃げてしまいます。
点眼後は2~3分まばたきを避けまぶたを閉じておくことが大切です。また点眼後に目頭を軽く押さえることによって涙の排水口が閉じられ、目に長く薬をとどめ、さらに全身への吸収による副作用の防止にも役立ちます。

2種類以上の目薬を併用する場合
 点眼の間隔
 種類以上の目薬を立て続けにさしてしまうと、先に点眼 したくすりを後からさしたくすりが追い出してしまうため効果が弱くなってしまいます。最初にさしたくすりがよくしみこんでから次のくすりをさすように5分以上の間隔をあけると良いようです。2種類以上の目薬を併用する場合

点眼の順序
一般的にはより効果を期待するものを最後に点眼するほうが良いとされていますが、順序が混乱してしまう場合はどちらから点眼してもかまいませんが5分以上の間隔をあけるようにしてください。しかし、くすりの性質から必ず最後に点眼していただきたいものもありますので詳しくは医師・薬剤師にご相談ください。

保管方法
一般に「点眼液は冷蔵庫に保管しなければならない」と思っていらっしゃる方が多いようですが、点眼液の中には冷蔵庫保存をすると粒が出てしまい冷蔵庫の保存を禁止しているものもあります。また冷所保存のくすりも外出される方や使用回数の多い方は冷蔵庫への出し入れが大変な場合があります。現在では一部を除き、温度に強いくすりが多くなってきました。ただし光には弱いものが多いために強い光には当たらないように気をつけてください。普通に使われる点眼薬では冷所保存になっているものでも日中冷蔵庫に入れたままにしているために点眼回数が守られないでいるよりも遮光袋に入れ直射日光や自動車の中、暖房が当たる場所など温度の高くなる場所を避け、医師の指示通りの回数を点眼していただき、夜間など長い時間使用しない時間帯は冷蔵庫に保管するようにしてはいかがでしょうか。開封してから長期間過ぎたくすりは、たとえ残っていても廃棄して下さい。

目薬保管方法

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