≪薬剤師班(救護)参加報告≫

実施月日:平成23年4月11日~平成23年4月13日

避難場所:石巻高校避難場所

氏名:千葉県薬剤師会・杉浦邦夫

活動状況:調剤件数 2日間数約60件

巡回避難場所数:2箇所→「東松島保険相談センター」「女川総合体育館」

医薬品仕分け時間:東松島保険相談センターにて約3時間

【4月11日】

06:00 千葉県柏市の自宅を出発、東北道にて仙台に向かう。現地ではガソリンが入れられないとの情報なので、那須高原SAにてガソリン10Lを入れた。プリウスなのでガソリンメモリ針満タンのままでした。

11:40 宮城県薬剤師会へ到着、走行距離430km走行。宮城県薬剤師会にて簡単な説明を受け、名札と宮城県薬剤師会の緑のジャンバーを受け取る。

13:30 石巻高校到着。リーダーの坂本先生(沖縄県薬剤師会)より現状の説明を受ける。その間も避難所からNPOのボランティアの方が薬を取りに来るので、医薬品の説明をしてお渡し。石巻の丹野先生より電話が入り、東松島の保険相談センターでの薬の整理の要請、カーナビを見ながら現地に向かう。

15:00 現地到着。途中は津波で信号はほとんど機能しておらず、道路も舗装が剥がれていて運転には神経を使う。また道路に色々なものが散乱しているので、パンク修理キット必携です。医薬品整理は、熊本県より送られてきた医薬品入りのダンボール箱の整理及びOTC薬の整理。ノロウイルスがはやっている避難所もあり、ロペラミドの下痢止めは、やたらに使用すると危険なので、石巻高校に持って帰ることに。

18:00 東松山出発。

18:30 石巻高校着。ミーティングまでの間に食事を取る。

20:00 ミーティング、16名参加。1日の活動報告及び明日の仕事の割り振りを行う。明日の担当は、女川総合体育館の避難所にある仮設診療所での調剤業務になる。

 

【4月12日】

06:50  ミーティング。昨日の夜、急病人が出て薬剤師が対応するが、症状が重篤なので救急車にて病院に搬送した。

07:00 石巻高校を出発し、3名で女川に向かう。カーナビの誘導で走行するが、途中水没箇所があり大回りする。18km。

08:00 女川総合体育館着。体育館は水道電気水洗トイレ使用可、被災者のお風呂は自衛隊が提供している。避難者約700名(4月12日)。鳥取DMATチーム滞在(医師1名、薬剤師1名、看護師2名)、DMATの医師、薬剤師の昼間の活動は他の避難所廻りのため居ないが、看護師2名は診察の手伝い。体育館内の会議室を使った仮設診療所にて調剤。2名の医師が2箇所の診察室で診療し、カルテを直接みて調剤をする。処はなし、薬の同種同効薬は、薬剤師の判断で変更可。(ノルバスク(5mg)→アムロジン(2.5mg)2錠など)

12:00 食事休憩。1名の薬剤師が自衛隊の救護班と一緒に女川原発避難所に向かったため、午後からは2名で調剤。本日の調剤56件。

16:00 業務終了。

16:30 女川病院前。

17:00 石巻高校着。

18:00 食事。

19:45 ミーティング。丹野先生は居ないが、村上リーダーのもと開始。24名参加。明日9名帰るが、本日は人が揃っている。各避難所担当者との情報交換。

*呼吸器系の病気がはやっているが、避難所によっては水が使えないところもあり、水がもったいないのでうがいしない方がいる。対応としては、のどスプレーで対応。

*手あれが多いのでザーネクリームで対応。

*女川総合体育館では食事は1日2回なので、毎食後服用の指示ではなく、薬を確認して服薬指導すること。

23:00 就寝。

 

【4月13日】

06:50 ミーティング。

07:00 出発。午前中で帰る方がいるので、昨日来た方と4名で出かける。

08:00 体育館着。

10:00 薬が足りなくなったので、町立病院まで車でとりに行く。インフルエンザ疑いの高熱の患者1名(検査キットではマイナス)にタミフルとカロナール投与。

12:00 午前中の診察終了。昼食。

14:00 午後の診察開始。本日の調剤件数44件。

17:00 体育館出発。途中女川町立病因に寄って薬局長に会い、体育館の状況説明と、病院の話を聞く。病院の職員は薬局長1名だけであり、日薬3~4名、病薬3名のへルプで動かしている。病院は98床から19床にベッ ト数を減らし、公設民営の準備をしている時に被災してしまったとのことでした。ゆくゆくは総合体育館の診療所を閉鎖して、病院の方で纏めて診察する予定らしいが、今来ている薬剤師が引き上げられると業務がスムーズに行かないと心配しておられた。地震前は院外処方箋を発行していたが、町の薬局がすべて津波で無くなってしまったので、今は院内に戻している。仮設でもよいから、院外薬局が欲しいと言っておられた。

18:00 石巻高校到着。

18:10 宮城県薬剤師会の方に、直接千葉に帰ると連絡。

18:15 出発。

 

【4月14日】

01:30 柏着。

 20130816 -2          20130816

 

 <感想>

被災後1ヶ月で、現地に入りましたが、石巻・女川・東松島は想像以上に悲惨な状況であり、後片付けを含め、そう簡単には復興できず、大変な問題が起きていると感じました。今回は石巻高校を拠点とし3箇所での活動となりましたが、現地の指揮を取っている丹野先生に相当負担が掛かっているようにみえました。また、私も含め、参加できる日数が限られているので、リーダーの方にも大変な思いをさせてしまったと思います。石巻地区は、全てが丹野先生頼りなので、もう一人完璧に補佐できる薬剤師を常駐させるべきだと痛感しました。これは地元の薬剤師会ではなく、日本薬剤師会の役員、若しくは事務員がこれに当たらなければと思います。1ヶ月たった今でも現場では混乱しているところもあり、他の医療チームとの連携をもっと良くすれば、効率よく避難所等に行くことができると感じました。                   ―薬局おおたかの森 杉浦邦夫―

 

―以上―

薬局おおたかの森  杉浦 邦夫