美しい花には…?(けし、大麻) 快い風とともに野山に花が咲き乱れます。おにげし、ひなげし等あでやかで美しいけしの花は私たちの目を楽しませてくれます。
 しかし、このけしの中でソムニフェルム、セテイゲルムといわれる種類のけしから「あへん」がとれるために、この種類のけしの栽培が禁止されていることをご存知でしょうか?
 「あへん」はあへん中毒、麻薬中毒の元凶として知られ、中毒者の悲劇は想像を絶するものです。このため、この種類のけしの栽培は全世界において規制されています。
 また、大麻は「マリファナ」として知られるように、最近その乱用は大きな社会問題となっていますが、大麻も栽培を禁止されています。

植えてはいけない"けし"
 けしには多くの品種があり、その区別は花を見ただけではわかりません。簡単な区別法を御紹介します。
植えてはいけないけしの特徴
 (1)全面にろう質をもっているため、白っぽい緑色をしている。
 (2)草丈が大きく1m以上となる。
 (3)茎が太く、しっかりしている。
 (4)無毛である。あっても極めて少ない。
 (5)葉は全体に茎の上の方までついている。
 (6)葉が大きく、長楕円形でまわりの切れ込みが浅い。
 (7)葉は無柄で、つけ根が茎を抱き込んでおり、特に茎の上の方から出ている葉は心臓形で、深く茎を抱いている。
大麻の特徴
 (1)一年生の草本植物で全草に独特の臭気(青くさみ)がある。
 (2)茎は四角形、緑色で浅い縦溝が通っていて、真直ぐに立ち、太さは親指ほどになり、高さは1~2.5mぐらいになる。
 (3)葉は3~9枚の小葉が集まって掌状となり、その小葉の辺縁は鋸の歯状に切れ込んでいて、その先端は尖っている。
植えてよいけしの特徴
 (1)緑色をしている。
 (2)草丈が低く80~90cmどまりである。
 (3)全草が弱々しい感じである。
 (4)全草に粗毛が生えている。
 (5)葉は茎の下方に密生している。
 (6)葉は羽状で、深く裂けている。
 (7)茎の下方から出ている葉は葉柄をもっている。

皆でなくそう、植えてはいけないけし、大麻
 けし、大麻の不正使用は、私達の心身を犯すばかりでなく、社会にも害悪を及ぼします。皆様のまわりで、植えてはいけないけし、大麻を発見した場合には最寄りの警察署・保健所へ御連絡ください。

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