ぎょう虫寄生虫はすっかり過去のものといわれます。かつては5人にひとりといわれた回虫もほとんどみられません。これは衛生知識が広く浸透したこと、環境の整備が進んだこと、化学肥料が普及したことなどのおかげでしょう。

ぎょう虫の生態
ぎょう虫は、オスが体長2~5mm、メスが体長8~13mmほどあり、白くて細長い虫です。成虫はヒトの盲腸やその近くに寄生します。夜、ようやくふとんが温まったころになると、メスは肛門からはい出して卵を生みます。1回に1万個も産むことがあります。

症 状
ぎょう虫が寄生していても症状はほとんどありません。ただ、メスが夜間肛門をはいまわるときに独特のかゆみがあり、このため寝つきが悪くなったり夜泣きをしたりします。また、無意識にひっかいて傷をつくったりすることもあります。

どのようにして感染するのでしょうか
メスが夜産卵しているとかゆいので、どうしても無意識に手でかいて、爪の間などに卵をつけてしまいます。その手で口にさわったり、食べ物をとったりすると新たな虫が体内に入ってしまうことになります。また、ふとんや下着についた卵が家族への感染のもとになります。

治療方法は
ぎょう虫の患者が家族に出たときは、家族全員を疑わなくてはいけません。
それほどぎょう虫の感染力は強いのです。全員の検査(テープを肛門に押し当ててそれを顕微鏡で調べます。)を実施し、陽性の人はパモ酸ピランテル、パモ酸ピルビニウムを服用します。
成虫はふつう1回で駆除できますが、発育中の虫にはもういちど10日後に服用すると理想的です。

日常的に注意すること
食前に手を洗う、爪は短くきれいに、下着はまめに取り換え、肛門周囲を清潔にすることが大切です。寝室や子供部屋は卵が落ちていることがあるので、床の掃除には電気掃除機を使うようにしましょう。

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