飲料とお薬の相互作用「鉄剤を飲む人は、お茶を控えなければいけない」と、よく言われていました。しかし、最近の研究によると、実はそれほど気にしなくてもいいようなのです。鉄はお茶の成分中のタンニン酸と結合するからお茶で飲んではいけないと言っていたのですが、よほど濃いお茶でない限りそれほど影響がないことが分かってきたのです。それよりもカフェインとお薬の相互作用を気にした方がいいようです。その理由は、カフェインはコーヒーあるいは玉露などの緑茶一杯の中に、普通お薬として一回にとるのと同じ量が(100~300mg)含まれているからです。

参考に飲料の中のそれぞれの量を表にしてみます。

 

 

飲料に含まれるタンニン・カフェインの量(数字はmg/100mlを示す。)

種   類 タンニン カフェイン
コーヒー 110 40
インスタントコーヒー 52 16
紅茶 37 50
緑茶 18 10 〜20
濃い緑茶(玉露など) 100 160
煎茶 31 20
ウーロン茶 32 20
※ カフェインの量は温度などそれぞれ飲む時の条件による。
 
 

カフェインと一緒に飲んで影響のある薬剤

飲んでいる薬 カフェインと一緒の場合
 消化性潰瘍治療剤 カフェインの心臓系及び中枢神経系の副作用が増強される。
 習慣性中毒治療剤 カフェインの効果が長く続く。
 不整脈治療剤 心拍数が減少する。
 気管支拡張剤 薬の副作用が増強される。
 精神神経用剤 コーヒー、紅茶の中に薬を入れると不溶性の沈殿を生じる。

お薬を飲む場合は、水かぬるま湯で飲むのが一番、お薬に対する影響が少ないのです。
水またはぬるま湯で
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