高血圧の薬 高血圧は成人病の王様です。血圧を高いままにしておくと、脳卒中などの危険性が増え、いろいろな器官にも悪影響を及ぼします。
 今では血圧を下げる良いお薬(降圧剤)がいろいろあり、医師と工夫を重ね、養生を心がければ、大きな副作用もなく血圧のコントロールが可能になっています。
 血圧には最大血圧(心臓が収縮したときの血圧)と最小血圧(心臓が拡張したときの血圧)があるのはご存じでしょう。血圧は水銀柱の高さ(mm)で表しますが、WHO(世界保健機構)は、最大血圧が130未満で、かつ最小血圧が85未満のものを正常としました。たとえ最大血圧が130未満でも、最小血圧が85を超えるときは正常といわないのです。
 しかし、人には個人差があり、必ずこの範囲でなければいけないというものではありません。医師がその人その人によって、適正な値を設定してくれますので、それを目安とするのがよいでしょう。
 現在、血圧降下剤は数十種類ありますが、医師はその中からあなたに適したものを選んで、ときにはいくつかを組み合わせて、あるいは他のお薬も一緒にして血圧を正常に保とうとします。経過を見て、コントロールがうまくいかなければ処方を変えます。あなたに合ったお薬が見つかれば、それを継続していくことになります。なお、血圧降下剤は血圧が高くなる原因を治してはいませんので、お薬をやめるとまた血圧は高くなってしまいます。したがって長い間飲み続けることになるのが現状です。
 お薬は何回ものテストをくぐり抜けてきたものばかりで、有効性・安全性は十分に確かめられています。しかし、人によっては具合が悪くなることもないとはいえません。おかしいかな、と思ったときは、必ず医師・薬剤師などに話してください。お薬をかってにやめたり減らしたりするのは厳禁です。医師・薬剤師とあなたとは、お互いに信頼し合うようにしましょう。

血圧降下剤で比較的起こりがちな副作用は...
 眠気、頭が重い、活力が減った、もの憂い、文章が書きにくい、新聞を読む気が減った、走ったり動いたりするとぐったりする、だるい、食欲不振、立ったときのめまい、鼻づまり、動悸がする、顔が赤くなる...。高血圧の薬
 高血圧に対しては、個人の療生努力も大切です。その中心は食塩を減らすことにあります。さしあたり1日に10g以下を目標にしましょう。一気に減らすと食べ物がまずく感じますが、徐々に減らせば薄味にも慣れていきます。食品中の食塩量は、本で調べることができます。
 食塩の次はカロリーの摂り過ぎと運動不足。深酒、タバコ、ストレスも要注意です。
 寒暖の差も大敵です。入浴前にフタを取って湯気で浴室を暖める(一番風呂を避ける)、トイレに暖房をつけるなどの配慮が必要です。

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