捻挫と薬大相撲やプロ野球、そしてJリーグも加わってスポーツは盛んです。一般の人達も健康志向から「適当な運動」をすることがはやっています。ここで気を付けませんと、はりきりすぎて転んだり、うっかり捻挫やつき指をしたりすることがあります。

捻挫
捻挫は、関節が無理に正常範囲を超えた動きをさせられることによって起こります。このとき靭帯などが損傷されて一時的に脱臼に近い状態になり、また正常の位置に戻ったものが捻挫です。したがって、靭帯などは伸びただけですむこともあれば、変形が大きすぎて切れてしまうこともあるわけです。

捻挫の症状
捻挫を起こした関節は強い痛みを伴います。とくに原因となった動きと同じ動作をしようとすると激しく痛みます。やがて皮下出血のために局所が腫れてきます。関節自体は痛みや腫れによる障害はありますが、動かそうと思えば動かすことができます。

捻挫の治療
すぐ患部を冷やすことが第一です。軽いものなら30分ぐらい冷やして、消炎鎮痛剤をつけておきましょう。これによって皮下出血を最小限にとどめ、痛みを早く除くことができます。マッサージをしてはいけません。
お薬には軟膏やスプレーもありますが、湿布薬が普通でしょう。ときどきテレビなどでコールドスプレーを使っている映像を見かけますが、あれはガスの気化熱で患部を急速に冷やすもので、根本治療にはなりませんが一時的な冷却には効果があります。なお、湿布薬でかぶれやすい人は、ガーゼをはさんでみるとかなりちがうようです。
また、捻挫はあとになって痛みやはれがひどくなることがあります。ときには絆創膏によるテーピングや患部の固定などが必要なこともあります。たかが捻挫と軽くみないで、ひどいときには専門医にみてもらいましょう。

初期治療の原則ーRICE
打撲や捻挫などの初期治療の原則は、その頭文字をとってRICEと呼ばれています。

 

R:Rest (安静)
 テーピングなどで固定し、患部をうごかさないようにします。
I:Ice (冷却)
 内出血や腫れを最小限にくい止めるために大切です。
C:Compression(圧迫)
 これも内出血防止のため、圧迫気味に患部を30分ぐらい固定します。
E:Elevation(高置)
 患部の腫れを防ぎます。足を高くして休むとだるさがとれるのと同じことです。

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