柏市薬剤師会

一般社団法人

恐ろしい薬物乱用!! 人の健康を守るはずの薬や、社会生活に欠かせない化学物質などが誤って使われて、本人の健康や社会に害を及ぼすことがあります。覚せい剤や麻薬、シンナーなどを乱用すると、自己の心身を滅ぼすだけでなく、凶悪犯罪を起こしたり、家庭崩壊を招いたりします。

覚せい剤
 覚せい剤は一度使うとなかなかやめられなくなり、くり返し使ううちに精神障害などの中毒症状が現れてきます。そして幻覚、妄想により発作的に殺人などの恐ろしい犯罪を引き起こすことがあります。覚せい剤の不正取引には、しばしば暴力団が深くかかわっており、「疲れがとれる」、「眠気ざましになる」、「スッキリする」といった甘い言葉で誘惑の手を伸ばしています。最近は注射だけでなく、しょう油やソースの小容器に入れた「飲む覚せい剤」も出回っています。

麻薬・大麻
 すぐれた鎮痛作用をもつ麻薬は医療に欠くことができませんが、使い方を誤ると大きな害をもたらします。麻薬の乱用は、日本ではピーク時の昭和30年代に比べるとかなり少なくなりましたが、欧米では深刻な問題となっています。
 また最近は大麻の密輸や乱用が急増しています。特に海外旅行の若者が持ち帰ろうとして摘発されるケースが増えています。
 一部には「大麻は害がない」とか「アメリカでは大麻を吸っても罪にならない」といった誤った情報も流されていますが、こうしたデマに惑わされないようにご注意ください。

シンナー・接着剤など
 シンナーや接着剤などにはトルエンという人体に有害な物質が含まれています。シンナー等を乱用すると、脳や内臓が冒され、青少年の健全な成長が妨げられます。また、シンナーを乱用するうちに、より強い刺激を求めて覚せい剤に手を出す傾向もみられます。

向精神薬
 睡眠薬や精神安定剤、抗てんかん薬の多くが向精神薬に該当する医薬品で、医師の処方箋が必要です。最近乱用が広まっています。
 これらの薬物は、いずれも中枢神経系に作用するため、乱用を続けていると、脳が萎縮したり精神障害が残るほか体の様々な器官に悪影響を与えるとともに、一度中毒になってしまうと、自分の意志では薬物の乱用をやめることができません。
 また、薬物依存の母親から生まれた新生児には、出生直後から薬物の害が待ち受けています。
 薬物の乱用に陥ってしまう原因の大きな理由として、好奇心により手を出してしまうことですが、正しい知識を持ち、仮に誘われてもことわる勇気を持つことが大切です。
 最近、一部の若い人のなかで薬物の乱用をファッションと受け止めている風潮がありますが、大変危険なことです。

医薬品は正しく使いましょう
 鎮痛薬やかぜ薬・せき止め薬などの中には、必要以上に使うとかえって有害な成分が含まれています。医薬品は定められた用法・用量を必ず守ってください。また、お子さんの薬の使い方には十分注意してください。

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