気温の高くなる初夏から初秋にかけてが、一般的に食中毒の起こりやすい季節と言われています。この時期は食中毒菌が増えるのに適した気温になるので、千葉県での食中毒の多くがこの時期に発生しています。大腸菌はその名のとおり、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、いくつかのものは人に下痢を起こさせることがあり、病原性大腸菌と呼ばれています。O-157も病原性大腸菌の一つです。
大人では、感染しても症状がでなかったり、軽い下痢だけのことが多いのですが、乳幼児、小児や何か病気のある高齢者では、重症に至る場合もあるので、注意が必要です。症状としては、はじめ腹痛や水様性の下痢ですが、下痢は後で出血を伴うこともあります。
下痢などの症状が起きた場合には、下痢止めや抗生物質の安易な使用は必ずしも適切とは言えません。医師の診察を受け、その指示に従うことが必要です。
ではO-157を予防するのはどうしたらよいのでしょうか?感染経路は、食品や水による経口感染、人から人への二次感染(便を通じて)、食品の不衛生な取扱いなどによるといわれています。
また、O-157は熱に弱く、消毒剤にも弱いのです。ですから、普通の食中毒対策で十分に予防ができます。
次のような予防方法を確実にしましょう。
1 手指(調理の前、トイレの後)や調理器具は十分に洗いましょう。
2 肉類など調理する時は、中心部まで十分加熱しましょう。
(75度以上、1分間)
3 生肉が触れたまな板、包丁、食器等は熱湯等で十分消毒し、手も洗ってください。
4 調理した食品はすぐに食べましょう。すぐに食べないときは、冷蔵庫で保存しましょう。
5 飲料水の衛生管理には気をつけ、特に井戸水や受水層の取扱いには注意してください。
【消毒剤いろいろ】
用 途
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一般名
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備 考
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木製のまな板 など |
次亜塩素酸ナトリウム | 消毒力は強力。 手指の消毒には0.01~0.05%で使用。 |
木製のまな板、 手・指、 食器 |
グルコン酸クロルヘキシジン 塩化ベンザルコニウム 塩化ベンゼトニウム |
消毒力は弱いが皮膚への刺激が少ない。 食器、まな板などは消毒後流水で洗う。 |
手・指 | ポピドンヨード | 2分間、洗浄後、流水で流す。 |
手・指 | 消毒用エタノール | きず、粘膜には用いない。 |
●手洗いには、通常の手洗い洗浄剤でも効果はあります。
●消毒剤の使い方については薬局・薬店でご相談ください。
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