ダイオキシンは、今から100年も前に化学的に合成されていました。しかし、他の多くの化学物質とは異なり、製造を目的として作られたものでなく、一部の化学製品の合成の過程や、廃棄物(家庭からでるゴミも含みます)の焼却の過程など・・・で思いもかけず出来てしまう化合物なのです。
この化合物は困ったことに、毒性が強く、動物実験で発ガン性、催奇形性、生殖毒性、免疫毒性など、が報告されており、環境汚染を引き起こすことがわかって来た時点から人体への影響が心配される物質なのです。
ダイオキシンについて知られていること
ダイオキシンは、ジベンゾーパラージオキシンと言われる200種類以上の化合物の総称で、水や有機溶剤に対しても溶け難く、熱化学的にも安定な物質で、微生物による分解も殆ど受けません。ただ、光化学的な分解を受け、太陽の紫外線が届くところでは、急速に分解することが知られています。
ダイオキシンは生体内で分解されにくいとされ、主に肝臓と脂肪組織に分布します。動物実験によると、一般的な毒性は動物種によって非常に大きな差がありますが、影響としては体重減少、皮膚の変化、肝障害等が知られています。
ダイオキシンの発生と環境残留
我が国の既に知られた発生源からの排出量は、年間約1,500ー5,300gで、このうち燃焼工程からの発生が大半を占めます。この割合はゴミ焼却施設が約80%、産業廃棄物焼却施設が約10%、金属精錬施設が約5%となっています。環境中からは、大気、土壌、海水等において検出されています。
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