朝食に牛乳を飲まれる方は多いと思いますが、牛乳とお薬の相互作用はいろいろあります。
牛乳との相互作用で有名なものはテトラサイクリン系の抗生物質です。牛乳中のカルシウムなどとキレートを形成して吸収を妨げるのです。
一口でいうと化学では、ある物質(医薬品)と金属類(鉄やアルミニウム等)が結合してできた沈殿物をキレートといっています。
同じように鉄剤も吸収されにくくなります。
牛乳も万能の食品ではありません。牛乳ばかり飲んで、他の食べ物をほとんど取らなかったケースで鉄欠乏による貧血になった例があります。
食事は何でもバランス良く取ることが大切です。何かが体にいいからといって、そればかり食べていたのではバランスを崩します。いろいろなものを程よく食べましょう。
相互作用のあるお薬かどうか分からない場合は、牛乳を飲む時間と薬を飲む時間を2時間程あけてください。お薬を飲む場合は、水かぬるま湯で飲むのが一番、お薬に対する影響が少ないのです。
牛乳と一緒に飲んで影響のある薬剤
飲んでいる薬 | 牛乳と一緒の場合 |
テトラサイクリン系 抗生物質製剤 |
薬の吸収率が低下する。 |
角化症治療剤 水虫治療剤 |
薬の吸収を増加して、薬の副作用が出る |
抗凝血剤 | 牛乳の中のビタミンKのために薬の効果が減弱する。 |
腸溶性薬剤※ エビプロスタット ケフラール EA錠 エーザイム フラジオ腸溶錠 など |
胃で溶けず腸で溶けるためのコーティングが溶けてしまうため、薬の吸収に影響が出る。 |
※腸溶性薬剤とは、胃内では錠剤や顆粒が崩壊せずにそのまま通過して、腸内で崩壊するように作られた薬剤をいう。
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