咳は、気道にある痰などの異物を外に出そうとする、一種の防衛反応です。これをつかさどるのは、脳幹というところにある咳中枢です。
咳を止めるには鎮咳薬を使います。ただし、むやみと止めてはいけない場合もあるのです。"コンコン"と出る乾いた空咳は止めてもよいのですが、痰がからんだ湿性の咳は異物を外に出す防衛反応ですから、無理に止めると気道がつまってしまうことがあります。
鎮咳薬の種類
●中枢性鎮咳薬
咳中枢が過敏になると、ちょっとした刺激があると気道に異物がなくても咳を起こします。これは痰がないので空咳になります。これを抑えるのが中枢性鎮咳薬です。
●リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン
咳中枢の働きを抑え、速効かつ強い鎮咳作用を示します。副作用として、眠気、吐き気、便秘などがあります。
●デキストロメトルファン
コデインとほぼ同等の鎮咳作用があります。鎮痛作用はほとんどありません。
●気管支拡張剤
痰が出る咳は止めない方がよいので、気管支拡張剤を使って痰を出やすくしてやります。塩酸メチルエフェドリンが代表的です。
咳どめに使われるその他の薬
●去痰薬
痰の粘り気をとったりして、痰のきれをよくします。キキョウ、セネガなどの生薬が多く、ほかに塩化リゾチーム、セラペプターゼなども使われます。
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