病人が長く床についていると、床ずれができることがあります。病気のほかに、床ずれの痛みまで加わったのでは可哀想です。毎日の看護の中で注意して、予防につとめたいものです。
床ずれのでき方
病人が床に長くついていると、からだの一部が圧迫を受けつづけるために、その部分の血液循環が悪くなります。するとそこは栄養障害になって皮膚が赤くなってきます。熱い痛みがあり、やがてただれてくるようになります。さらに進むと皮膚が破れ、潰瘍になってしまいます。
床ずれのできやすい人
寝たきりの病人で、重症で衰弱のはなはだしい人、栄養状態の悪い人、マヒやむくみのある人、失禁する人などに起こりやすいのです。
床ずれのできやすいところ
床ずれは、骨ばって圧迫を受けやすいところにできやすいのです。
●あおむけに寝ているとき:仙骨部、肩甲部、後頭部、かかと、肘関節の外側など。
●横向きに寝ているとき :下になった大転子部、くるぶし、肘、肩峰部など。
床ずれの予防
床ずれは骨の突出したところにできます。この部分の圧迫や湿潤、不潔を避け、全身の栄養状態をよくするようにします。まず寝具はよく日光に当て、乾燥させます。シーツや寝衣は柔らかくて縫目のないものを使い、シーツはしわがよらないように注意します。圧迫を防ぐためには、円座を用いたり、離被架で寝具の重みによる圧迫を避け、体位も頻繁に変えて同じところが圧迫されつづけないようにします。床ずれのできやすいところは、ときどき温湯で拭いて清潔にし、マッサージをして血行がよくなるようにします。
バスタオルで作った円座
1 対角線に紐を置いて 2 折り目を芯に巻いていく。 3 丸く輪にする。 4 紐でしばる。 5 タオルを折る。
離被架
床ずれの手当て
床ずれができた場合には、早め(発赤の状態のとき)に充分な手当てをして、進行しないようにつとめましょう。周囲をよくマッサージして、アルコールなどで消毒をしておけば、それほどひどくなりません。皮膚が破れてしまったら、医師の指示に従って、温湯でよく拭いて温め、うすく出血するぐらいまでよくマッサージをします。細菌感染をおこさないように消毒し、場合によっては殺菌剤のはいった軟膏を使います。
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