病気になって医師の診察を受けると、直接その病院・診療所などからお薬がもらえる場合と、処方せんを出してもらう場合があります。
処方せんは、病気の治療に必要なお薬とその分量、使い方などが記入してある大切な書類です。この処方せんに基づいて薬剤師が薬局で調剤することを医薬分業といいますが、医師と薬剤師の職能の分担と連係を強化することによって、よりよい医療を提供することができます。こうしたことから最近では処方せんを院外に発行する病院・診療所などが増えています。
この処方せんを持参すれば、どこの薬局でも調剤してくれますが、「処方せん受付」とか「保険薬局」、「基準薬局」という看板あるいはポスターが掲示してある薬局でしたら、安心して調剤が受けられます。
なお、処方せんには有効期間があるのをご存じですか?とくに医師の指定がない限り、交付日を含めて4日以内となっていますから注意してください。
医薬分業は、病院・診療所などから直接でなく、別に薬局に行かなければならないので不便に思う方もいらっしゃいますが、このシステムにはたくさんの利点があります。
まず、お薬の処方内容が明らかになり、さらにお薬について薬剤師がていねいに説明してくれます。これを服薬指導といいます。
また、他の病院・診療所などからもらったお薬を服用している場合、新しいお薬をもらう際にも、行きつけの薬局ではその患者さんのお薬の記録(薬歴カード)がありますので、同じ系統のお薬の重複を防いだり、飲み合わせのチェックができます。医薬分業を行なうと処方内容のチェックが二重にできるので、薬の事故の防止などにもつながります。
病院・診療所などでお薬の待ち時間が長いようなときは、薬局の調剤の方がむしろ早くでき、有効期間内ならどこの薬局でも都合の良いときに調剤してもらえます。
医薬分業というシステムは、医師と薬剤師の協力によって成り立つシステムです。医師は薬を調剤する手間から開放されて診療・治療に専念でき、調剤は薬の専門家である薬剤師が責任をもつという大変合理的なシステムということができます。欧米諸国では医薬分業が以前から行われています。
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