柏市薬剤師会

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中毒時の対応(2)~タバコの誤食~中毒原因のトップ
中毒事故の原因になるものとして、常にトップにあげられるものが「タバコ」です。被害にあうのは生後1歳ぐらいのお子さんで、動きが活発になってきたころです。いつもお父さんが口にしている「タバコ」を、自分もちょっとくわえてみたくなるのでしょうか。

1本でもあぶない・・・
「タバコ」1本に含まれているニコチンの量はだいたい10~20mg。これはほぼ子供の致死量になります。つまり「タバコ」1本を全部食べて、その中のニコチンがすっかり吸収されれば、その子供は死んでしまうことになります。「タバコ」がたいへん怖いものであることがわかりますね。ただし、ニコチンが「タバコ」の葉から溶け出して胃の中で吸収されるのはたいへん遅く、また、ニコチンが吐き気を起こさせる作用があるので、大事に至ることはありません。それでも「タバコ」の箱や灰皿をお子さんの手のとどくところに置いておくのは危ないことなのです。また、ジュースの飲み残しの缶を灰皿がわりに使う人がありますが、この中にはニコチンが溶け出しています。これをうっかり飲んでしまうと吸収が早いので大変危険です。「タバコ」に限らず、飲食物の入れ物に食物以外のものを入れることはやめるようにしましょう。

「タバコ」を食べたときの症状は・・・
ニコチンによる中毒症状は、だいたい30分位で現われてきます。はじめは頭が重い、頭が痛い、吐き気がするなどの症状がみられます。もっと症状が進むと顔色が蒼白となり、よだれや冷や汗が出て、吐き気・下痢がみられ、脈や呼吸がはやくなり、ふるえが起きるようになります。重症になると呼吸困難、意識障害を起こし、不整脈、全身ケイレンから呼吸マヒに至って死亡してしまいます。

「タバコ」を食べたときはどうしたらよいか・・・
ちょっとなめたり、食べた量がごくわずかなときはそのまましばらく様子をみます。口の中に「タバコ」の葉が残っていても、実際に飲み込んでしまうのは案外少ないものです。しかし「タバコ」を1/2本以上食べているようであれば吐かせることを考えます。灰皿がわりにした缶のジュースを飲んで、吐かせることができなかったときは、医師の処置が必要になります。たばこをたべたら

以上で述べましたように、症状があらわれるとすれば30分ぐらいしてからです。2時間たってもなにも起こらなければまず安心です。また、症状があらわれたとしても軽く、だんだん悪くなるようなことが起きなければだいたい大丈夫です。4時間たてば軽い症状はおさまるでしょう。しかし、いちど症状があらわれた場合は、24時間は様子をみるようにします。

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