お薬を飲むと全てに副作用が出るということはありません。副作用の出たお薬でも、患者さんの状態や服用の仕方に原因があると考えられるものも決して少なくはありません。そこで副作用の原因を大きく分けてみますと、お薬それ自体に原因があるもの、お薬を服用する患者さんの状態に原因のあるもの、お薬の服用の仕方に原因があるもの、これらの原因が複雑にからんだものなどがあります。
薬自体に原因があるものに関しては、医師や薬剤師が注意深く見守っているので、ここではお薬を服用する患者さんの状態に原因があるものと、「副作用の原因(2)」で薬の服用の仕方に原因があるものを考えてみましょう。
服用する患者さんの状態に原因があるもの
1.年齢
人によって同じお薬を同じだけ飲んでも、現れる効果は違ってきます。特に老人や子供では、身体の特徴やお薬の作用の仕方が成人と違いますので、副作用の現れ方が違ってきます。老人の場合は肝臓や腎臓の機能が普通の人より衰えていますので、成人と同じ量のお薬が投与されますと効果が強く出過ぎることがあります。反対に子供は大人の小型ではく、身体の機能がまだ成熟していない状態にあります。また新生児や乳幼児の身体の機能もありますので副作用の出方もおのずと違ってきます。
2.性別
男性と女性でも身体的特徴により副作用の出方が違ってきます。例えば骨粗鬆症は高齢の女性に多く、カルシウムの不足で骨がもろくなる病気です。カルシウムの吸収や代謝に影響を与えるお薬は長期間使えないということになります。
3.体重・体格
体重や体格は体内でのお薬の運ばれ方やなじみ方が違いますので、副作用の出方も違ってきます。太っている人と痩せている人でも違いますし、同じ太っている人でも、脂肪太りと水太りでは体内で薬の分布が違ってきます。
4.体質
花粉症や喘息の様なアレルギー体質の方では、そうでない方より副作用が出やすいです。
5.性格
副作用という言葉にひどく敏感な性格の人は、少し気分の変化や体質の変化を副作用と思い込み、またそのように思うと本当にそのような症状が出ることがあります。
6.生活習慣・食生活
喫煙や飲酒や飲食物などの相互作用で副作用が出たりしますし、不規則な食生活での薬の服用は身体に強い刺激になったりします。
7.身体の状態
便秘症の人は下痢ぎみの人より薬の吸収される時間が長くなるため副作用の機会も増えます。また、妊娠しますと体の中で代謝が変わり、副作用も出やすくなります。身体が衰弱しているときも副作用は出やすくなります。
8.遺伝的要因
お薬の感受性や代謝は人種によっても違いますし、先天的に代謝の違う人もいます。それにより副作用が出る場合があります。また、家族により同じ様な副作用の出る場合もあります。
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