これまでの医学は、青壮年を主な対象としてきました。この頃になって、小児科があるように高齢者科も創ろうとする動きがあります。高齢者は、体の働きが衰えてきていますから、お薬を飲むときには青壮年とは区別すべきです。
国民健康調査から
厚生労働省の調査によりますと、65歳以上の人は2.2人に1人、75歳以上の人は2人に1人は何らかの病気をもっているそうです。国民全体では8.1人に1人ですから、高齢者はかなり病気がちなことがわかります。また、高齢者は1人でいくつも病気をかかえている人も多いのです。
高齢者は副作用が出やすいのです
高齢者は、体によくないものを壊す肝臓や体にいらないものを捨てる腎臓などが弱ってきています。そのためお薬を飲んだとき、青壮年の人よりも効きすぎたり、副作用が出易かったりするのです。
医療用医薬品
医師が発行した処方せんに基づいて薬剤師が調剤したお薬(医療用医薬品)は、その人に合ったものを適した量だけ処方されています。指示された通りきちんと飲みましょう。万一、副作用らしいものが出たときは、必ず医師・薬剤師などに伝えてください。勝手にやめて、そのことを黙っていてはいけません。
一般用医薬品(OTC薬)
処方せんなし購入できる一般用医薬品は作用が緩和なため、大きな副作用は少ないですが、中には重篤な副作用につながるものがあります。解熱鎮痛剤は、長期間大量に飲み続けてはいけません。甘草や炭酸水素ナトリウムを含んだ胃腸薬などは、長く大量に飲みますと体の電解質バランスを崩すことがあります。ロートエキスなどを含んだ薬は一部の緑内障の人は飲んではいけません。
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