トローチは、主にのどの粘膜の炎症をおさえ、殺菌、消毒をするお薬です。ゆっくりとなめているうちに成分がとけ出し、炎症のある部分などに直接作用します。ですから、せっかちに噛み砕いて飲み込んでしまっては効果は少なくなります。トローチの穴はのどにつかえた場合にも空気を通し、窒息しないという役目をしています。
今回は、消炎酵素剤を配合したトローチに添付されている文書を例に、気をつける点をお話しします。
[使用上の注意]
1 次の方は使用前に医師、歯科医師、または薬剤師にご相談ください。
※お薬や鶏卵によるアレルギー症状を起こしたことがある方は、特に消炎酵素剤を配合したトローチでアレルギー症状を起こすことがあります。医師又は歯科医師の治療を受けている方で、投薬及び処置を受けている場合には重複投与なども考えられます。
2 定められた用法、用量を守ってください。
※トローチは甘いので、つい余分になめてしまいがちなので注意しましょう。
3 長期間の連用はしないでください。
※使用して体に異常を感じたり、数日間使用しても症状の改善がみられない場合には、使用が適切でない場合があります。すぐに使用を中止し、医師・薬剤師などに相談してください。
トローチ問答 Q1 トローチにはどうして穴があいているのですか。 A1 以前にのどにつかえさせて、窒息しかかったことがあったのです。それ以来、穴をあけるようになりました。 Q2 トローチの成分を教えてください。 A2 トローチは、抗生物質が入ったものと、殺菌剤入りのものとがあります。のどの痛みをやわらげるために、局所麻酔剤を加えることもあります。 主な成分名
Q3 殺菌剤入りのものと、抗生物質入りのものはどのように使いわけるのですか。 A3 口内炎はたいていウィルス疾患です。これには殺菌剤入りの方がききます。抗生物質はウィルスにはほとんどききません。これは細菌感染によるのどのはれなどに使います。 Q4 トローチは、かんだり飲んだりしてはいけませんか。 A4 トローチの成分は、飲み薬よりもはるかに少ないのです。したがって飲んでもほとんどききません。 Q5 それではしゃぶっているだけでよいのですか。 A5 そうです。トローチはのどの表面だけのお薬と考えてください。そして、感染の予防のためか、まだたいした炎症にもなっていない初期に使うものなのです。本格的に病気になってしまったら、トローチだけではだめです。飲み薬も使うようにしてください。 |
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